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よくある質問

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FAQ(よくある質問)

 

Q.店長の過労自殺で労災は?

コンビニ店長のような立場でも過労死、過労自殺での労災対象となります。

これが認められた裁判例を紹介します。

東京高裁平成28年9月1日判決の紹介です。

この件では、精神障害の発症や業務起因性が争われました。

 

事案の概要

コンビニ店長が自殺した事件です。

複数のコンビニで副店長、店長などの配置転換を受けていました。

その後、上司に退職したい旨を伝え、退職予定日等が決まっていました。

しかし、彼は店舗のレジから現金を持ち出す等していました。

その後、再び持ち出し行為、金庫の鍵を無断で持ち帰るなどして、行方不明に。

首を吊り死亡した状態で発見されました。

 

父親は彼が過重な業務に従事していた、これにより精神障害を発病しての自殺を主張。

労働者災害補償保険法に基づく遺族補償一時金および葬祭料を請求。

これに対し、労基署長は不支給処分。

父親は、原告となり、この取消処分を求めて提訴。

一審は、適応障害の発病は認められるものの自殺には業務起因性が認められないとして請求棄却。

控訴。

 

高等裁判所の判断基準

原判決取消し、請求認容。

これを導く基準は次のようなものでした。


労働者の傷病等を業務上のものと認めるためには、業務と当該傷病等との間に、労災補償を認めるのを相当とする関係、すなわち相当因果関係が認められることが必要であると最高裁判決の確認。

これが認められるには、当該傷病等の結果が、当該業務に内在する危険が現実化したものであると認められることが必要であると、こちらも最高裁平成8年1月23日第三小法廷判決を確認しています。

 

業務の危険性の判断は、当該労働者と同種の平均的な労働者、すなわち、何らかの個体側の脆弱性を有しながらも、当該労働者と職種、職場における立場、経験等の点で同種の者であって、特段の勤務軽減まで必要とせずに通常業務を遂行することができる者を基準とすべきとしました。


厚生労働省の認定基準は、その法的性質において、判断指針等と同様、裁判所による行政処分の違法性判断を直接拘束
するものではないが、その作成経緯や内容に照らせば相応の合理性を有するとしています。

相当因果関係を判断するに当たっては、基本的には認定基準を踏まえつつ、これを参考としながら、当該労働者に関する精神障害の発病に至るまでの具体的事情を総合的に斟酌して判断するのが相当としています。

 

高等裁判所の精神障害発症の事実認定は?

本件では精神科既往歴がありませんでした。精神障害の発症について診断がないケースです。

生前に診断はされていませんでしたが、「体が疲れている。」と家族らに伝えていたり、うわの空、不眠、食欲減退、家族に連絡もせず自殺した部屋を賃借、業務日誌の記載など周辺事情を認定しています。

精神障害を発病していたかについては、異常な行動を取るようになった時期を認定し、同時期には、「人の生命にかかわる事故への遭遇その他心理的に過度の負担を与える事象を伴う業務による精神及び行動の障害又はこれに付随する疾病」に該当する精神障害であるうつ病エピソード又は適応障害を発病していたものと認めるのが相当と認定しています。

原審も精神障害の発症は認定していたものの、そちらは適応障害でした。

発症時期の認定も違っています。

 

 

高等裁判所の業務起因性の認定は?

次に、業務起因性について認定していきます。


業務による出来事について、まず、長時間労働を認定。

時間外労働時間は発病の4、5、6か月前は3か月続けて80時間を超えるし、発病時期から遡って6か月を超えるが、1年前から7か月前は毎月おおむね120時間を超えること、業務はコンビニエンスストアの店長であるから、その労働密度は決して低いとはいえないとしています。

次に、連続勤務について、20日間、深夜時間帯に及ぶ時間外労働等を認定。

また、ノルマの点についても指摘。

店舗ごとに設定される売上げ、廃棄率、人件費の目標の責任は店長にあり、平成20年当時、売上目標が達成されない中、定期的な店長会議でも店長の責任が強調されていたことをとりあげ、いずれの心理的負荷の程度も、単体で「中」ないし「強」とみるべきとしています。少なくとも、各出来事が関連して生じているということができるから、その全体を一つの出来事として評価すれば、その全体評価は「強」に当たるというべきであるとしています。

これにより、精神障害の発病には業務起因性が認められ、本件精神障害の発病による影響の下で本件自殺に至ったというべきであるとして、請求を認容しています。

 

精神疾患と業務起因性については、2011年に「認定基準」が出されています。


多くの裁判例では、認定基準が裁判所を直接拘束するものではないとしつつ、十分な合理性を認め、これを参考に総
合的に判断しています。当てはめの歳には、より緩やかな判断を示す裁判例も多いです。

 

業務危険性の判断基準は誰か?

この点について、裁判例は分かれています。

平均的労働者を基準にする事例や、その決め方、被災者本人を基準にするケース、同種の労働者の中から性格傾向が最も脆弱な人を基準とする事例もあります。

 




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